エルメス 2015年春夏メンズコレクション – ユニークな模様遊び、スポーティーな風吹く都会スタイル

エルメス(HERMÈS)が、2015年春夏メンズコレクションを発表した。スポーティーでありながら、あくまで都会的、気負いのないノンシャランな雰囲気がムード。一見シンプルでベーシックに見えるアイテムが揃うが、随所に遊び心を忍ばせていた。

 

まず目に留まるのは、豊かなプリントの数々。アーティスティックでコンテンポラリーな抽象柄とトラディショナルな柄を組み合わせ、そこから生まれる現代的なエネルギーを表現した。2つの色を重ね、ときににじませ、ラインのアクセントを加えたものは、ひびの入った大理石のようにも見える。そのほか、直線的なデジタル柄や、親しみのあるボタニカル柄まで揃う。

一方で、色遊びのユニークさも今季のキー。全体をチョークホワイトからベージュ、ブルーグレーやダークグリーンといった、ワントーンでまとめつつ、鮮やかなオレンジのジャケットやニットが、コレクション全体にエネルギーを加え、ピンクやブルーなどのスカーフが、首元にほどよい彩りを添えていく。後半に登場したくすんだイエローは、パワーと気品を兼ね備え、今シーズンの特徴を物語っているよう。

全体を通して、軽さが失われないのは、スリッポンスニーカーを積極的に取り入れたから。ストラップ使いが美しいフラットサンダルは、さらに爽やかな風を吹き込んでいく。このような足元でカジュアルダウンさせるテクニックは、都会的な男性に相応しい。また、ジップ付きのジャケットやハーフパンツ、フーディーなどの快活なアイテムが、フレッシュな雰囲気を盛り上げた。

リラックスしたシルエットやポップな色使い、エルメスらしい多彩なプリントが並んだ、今シーズン。カラーグラデーションを揃えることで、品よくまとまり、よりメゾンの品格が引き立ったコレクションとなった。

転載サイト:https://www.fashion-press.net/news/16227

プラダ 2018年春夏コレクション – ミウッチャ監修SFコミックでタイムスリップ

プラダ(PRADA)が、2018年春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。

今シーズンのプラダは会場からコミカルだ。ジェームス・ジーンと オリー・シュローヴェンによるコミックが、壁面、天井、床にまで巡らされた内観は、来場者全員をその物語の登場人物にした。

洋服だってそうだ。シャツ、カシミヤニット、さらにはバッグやベルトといった小物まで物語は描かれる。目からビームを出す猿、コラージュされたモチーフ、コマ割りで描かれたアニメーション……。バーチャル世界が隅々にまで広がっている。

テーマはおそらくSFとか、近未来的な何か。明確にはわからないが、後から後へとパイロットスーツが繰り出される。プラダがシグニチャーにしているワーキングユニホームが、今季はこの形で表現されたのだろう。このスーツは種類が豊富で、ウォータープルーフのボンディング素材に止水テープを施したものがあれば、かたやシルキーなナイロンを使用したパジャマっぽいものもある。

一方で、定番スーツは近未来的にアレンジし、キャッチーなカラーリングに、黒のストライプをアクセントとした。スーツに合わせるドレスシューズも、今季ばかりはどこか戦隊物アニメっぽく、先の尖ったフォルムに穴飾りが不規則に配されている。

スタイリングには意外とクラシカルな要素もあって、50年代を彷彿とさせるボックス型のウールコートなども登場する。ポプリンストライプのシャツは重ねて、先に紹介したフューチャリスティックなツナギに合わせてしまうのだから驚きだ。

カシミアニットのカーディガンも、ケミカルなパンツにタックインして、新鮮すぎる違和感で遊ぶ。プラダらしい遊び心が効いたスタイリングは、ひとつのルックの中でタイムスリップを何度もさせてくれるようで、着る方も見る方もその物語を楽しめる。